おもいでの服 – Her-Me

COLUMN

おもいでの服

先週末はまだ肌寒さが残る中、桜色に酔いしれる人々で賑わっていた街も、もう夏の装い。
慌てて衣更えの準備を始めた雨の日の休日。

衣装ケースをクローゼットから取り出している時に気になったのは、
ケースの奥にあった何冊もの古いアルバム。
最初に手にしたのは祖母の若いころのもの。
黄色く変色した台紙に貼られた白黒写真には、
ミニ丈のワンピースを着て 微笑む祖母がいる。
割烹着を着た祖母に甘えてもたれかかった小さな女の子は私の母。

次に手にしたアルバムは母のおもいで。
私が知っている母は、ずっと細身の体型だったのに、
写真の中の母は花柄のワンピースを着て少しふっくらとしている。
きっとまだ私は産まれていない頃の写真。

アルバムの中の祖母や母は、ワンピースを着ている時は、照れながらも嬉しそうな表情。
白黒写真に色をのせてみたら、二人とも頬が染まっている感じ。

そんなふうに思いながら二人の写真を見ていて思い出したのは、
私の初めてのピアノの発表会の衣装。
キャメル色のベルベット素材のワンピースはAライン。
発表会の出来については思い出せないけど
この服は、ベルベットの肌触りと共に強く記憶に残っている。
髪は短く男の子のような子だったけど
そのワンピースを着た日は、おしとやかに歩いていたなあ。
昔、この服を着て、はにかんだ写真があったのに、
探してみてもその写真は出てこない。

でも、いまこうやって 祖母・母の写真と
記憶の中の私の写真をつなぎ合わせてみて思ったのは
わが家の女性陣はワンピースで楽しい気持ちになるようだってこと。

服にはたくさんの種類があって、様々なかたちがあって
ひとをいろんな風に変えてくれる。
自分を表現し、主張も出来る。
肌に触れる素材で心地良くもなったり、
ちょっとした工夫のシルエットでリラックスも出来る。

そして服はたくさんの想い出も作ってくれる。
いろいろな想い出・記憶に繋がる服は、誰にでもあるのではないでしょうか。

さあ、次の休日には、どんな服でお出かけしようかな。
その時は母も誘って、二人で素敵な想い出を作りに行ってきます。

Meg-me