私の夏 – Her-Me

COLUMN

私の夏

本屋に行くのが好きです。
いや、好きでした。
いやいや、今も好きです。でも本屋が無いのです。
あっても品揃えが少なかったり、本屋なのか雑貨屋なのかわからない状態のお店。

以前は、6階建てのビルの各フロアが、分野やジャンルごとに分かれていて
様々な本が揃っているお店や、何かに特化した本屋で
ワクワク感あふれるお店が多かったのですが。。。

なぜ本屋が減った?。。。
それもこれも、2000年頃に海外から本格的にオンライン書籍販売が日本に上陸して
拡大したことや、電子書籍が増えたことが原因なのでは?と思っています。
ピーク時の1996年には日本に25,000店あった本屋は、
2022年には11,000店まで減っているようです。

本屋が好きだと言っている私も、もちろん オンライン販売にはお世話になっております。
オンライン上に出てくる、本の書評は参考になり、
何冊買っても重くて持って帰るのに辛い、ということもなく
ついついポチポチしています。

でも、やっぱり本屋に行って店内を歩き回りながら、本を手に取って選ぶ楽しさや
本の装丁から引き込まれて新たな世界に繋がる瞬間、これがなんともいえない時間なのです。

なので、本屋さんが減っているのは私にとってとても残念なことなのですが
毎年7月になるとかなりの回数 本屋に行っています。

小学生の頃、夏になると本屋の店頭では、”○○文庫の100冊フェア” や ”○○文庫の夏”
というコーナーが設けられていました。
この夏のイベントの各文庫会社のイチオシ本を見るのが楽しくて、
子供のころから、この時期は、いつも以上に本屋にいたものでした。

このイベントは今でも続けられていて、7月になると、私の足は本屋に向かうのです。

もう50年近く続けられている会社もあり、
これほど続くということは”惹きつけ方”も半端なものではなく
以前はフェアの小冊子だけでしたが、冊子の内容も毎年グレードアップされ
いまはInstagramやXにも公式アカウントがあります。

私は、まず各社のこの小冊子を頂き、すべてを読みます。
読みたいと思った本をメモって、
また本屋に行き、装丁を見たり、手に取りながら本を選んでいきます。

大好きな作家さんの知らなかった作品や、むかし読んだことがある作品、
自分ではなかなか手に取らないジャンルの作品、様々な作品を選んでいきます。

今年の私のいまの状況ですが、3社の小冊子をもらって54冊選んでいます。
これに加え、ある雑誌で本の特集が組まれていて、ここから18冊が心をくすぐっています。
今週私は本屋に出向き、この合計72冊を熟考して、選抜隊を連れて帰る予定です。
この熟考の時間、延々と私は本屋にいるのです。
一日では終わらず、暑い中を何度も何度も通います。
私の楽しい夏の本屋イベントなんです。

いまこのコラムを書いていて、思ったことがあります。
私はあまり”やりたいこと”というのが見つけられない人なのですが
いつか”私の夏の楽しい本屋イベント”を、
夏だけでなく、いろいろな形で、いろいろなジャンルで
他の方々に届けられる場所を作れたらいいなって思ったんです。

《Meg-me 秋の小太りまっしぐら10冊フェア》
《Meg-me 春の五月病も忘れるくらい楽しい10冊フェア》
《Meg-me 大人も夢中になる絵本10冊フェア》   などなど

ワクワクする本屋が無ければ自分で作る。
ワクワクすることがあれば、それを他の人と共有する。

本って、こんな新しい世界への道も開いてくれる、繋いでくれるんです。

私の夏、本の夏。
皆さんは、どんな夏を過ごされますか。

Meg-me